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チャーリーとしろくろ

セキセイインコのチャーリーと人間のしろとくろの生活をつづります。

くろについて

 血縁者との繋がりをとみに感じる年齢となった。誰しも家族を大事に思うわけではないと些か尖っていた私ではあるが、幼少期を過ごした生家についての思い入れやら家人に対する情やらが滲むことがある。非常に幸せなことだ。

 

 この記事を執筆している最中、同居人のくろが楽しげに父と話している。諸事情により暮らす時間が非常に短かったせいで、なかなか会うことも難しかったようだが、最近になって父の元へと訪れたことが分岐だったように思う。

 彼も漸う甘えられるほど時間が経ったのだ。

 同居を始めたばかりの頃、彼の生家や育った土地を何日かに分けて巡ったことがあった。まるで様変わりしている場所もあれば、些かも変わりない場所もあった。いずれの場所もくろにとっては紹介する程度に思い入れのある場所なのだと知った。

 そんな具合でくろと私は時間をかけて家人となった。今までは生来の性格から自分以外の生き物と暮らすことが難しいと感じていたが、くろと暮らすこと(つまり仕事以外の自由時間をほとんど全て共にするということ)に不自由を思ったことがない。これは私にとって発見であった。

 また、距離を置くことで家族と親密になる法則も相まって、私もくろも家族の関係をある程度修復した。

 

 どうやら電話が終わったらしい。私がリビングへ向かうとすでに背を向けてテレビゲームに興じている。

 「オヤジがいろいろ送ってくれるってよ。」

 顔が見えずとも喜んでいるのが声に滲む。無償の愛だの全く信用していない私ではあるが、くろにとっての家族の思い入れや情は解っている。

 実に、幸せなことだ。

 

<了>